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AI活用

claude mcp addのスコープ解説|設定の保存先と同名サーバーの優先順位

Hirokuma
10分で読める
claude mcp addのスコープ解説|設定の保存先と同名サーバーの優先順位

claude mcp add--scope は、覚えることが2つだけあります。設定がどのファイルへ書かれるかと、同じ名前のサーバーが複数スコープにあるとき、どれが実際に使われるか。この2つさえ手元で確認できれば、「addしたのに繋がらない」「消したはずのサーバーが残っている」系のトラブルはほぼ自力で解けます。

先に結論です。3つのスコープ(local / project / user)は3つのファイルに対応している、と思いたくなりますが、実際はそうなっていません。localとuserは同じ ~/.claude.json に同居していて、projectだけがリポジトリ内の .mcp.json に書かれます。そして同名サーバーの優先順位は公式ドキュメント上 local > project > user ですが、承認前のprojectサーバーはこの順位に参加しません。この「承認」が絡む挙動を知らないと、優先順位の表を暗記していても現象を説明できない場面があります。

この記事は、スコープの使い分けの入門ではなく、その一段下の深掘りです。3スコープの基本と使い分けの判断軸は、先に設定ガイドにまとめてあります。

Claude CodeにMCPサーバーを追加する設定ガイド|3つのスコープと.mcp.jsonの使い分けClaude CodeへMCPサーバーを接続する設定方法を解説します。claude mcp addの基本、local・project・userの3スコープの使い分け、.mcp.jsonのチーム共有と環境変数展開、接続確認と権限設定、サーバーを足しすぎない判断軸をまとめます。www.tentspace.net

以下の実測はすべてClaude Code 2.1.269(2026-09-12時点)で確認しました。仕様の一次情報は公式ドキュメントのMCPページです。

Claude Code公式: Connect Claude Code to tools via MCPLearn how to connect Claude Code to your tools with the Model Context Protocol.code.claude.com

スコープ指定の基本形

おさらいを1段落だけ。claude mcp add-s / --scope で保存先を選びます。省略時はlocalです。

# 省略時はlocal(自分だけ・このプロジェクトだけ)
claude mcp add my-server -- npx -y some-mcp-server

# チーム共有はproject(.mcp.jsonへ)
claude mcp add --scope project team-server -- npx -y some-mcp-server

# 全プロジェクト共通はuser
claude mcp add --scope user my-tools -- npx -y some-mcp-server

ここまでは入門記事の通り。ここからが本題です。

保存先は3ファイルではなく2ファイル

addを実行すると、Claude Codeは書き込んだファイルを File modified: としてそのまま表示してくれます。3スコープで順に実行した結果がこれです。

$ claude mcp add lab-echo -- echo hello
Added stdio MCP server lab-echo with command: echo hello to local config
File modified: /Users/you/.claude.json [project: /path/to/your-repo]

$ claude mcp add --scope user lab-user -- echo user-level
Added stdio MCP server lab-user with command: echo user-level to user config
File modified: /Users/you/.claude.json

$ claude mcp add --scope project lab-proj -- echo proj-level
Added stdio MCP server lab-proj with command: echo proj-level to project config
File modified: /path/to/your-repo/.mcp.json

並べると構造が見えます。

スコープ保存先位置づけ
local~/.claude.json[project: <パス>] 区画自分だけ・このプロジェクトだけ
user~/.claude.json(プロジェクト区画の外)自分だけ・全プロジェクト
projectリポジトリ直下の .mcp.jsonリポジトリを共有する全員

つまり「自分だけの設定」は、スコープがlocalでもuserでも同じ ~/.claude.json に住んでいます。違いはプロジェクトのパスをキーにした区画の内側か外側か。localはプロジェクト区画の内側なので、同じ設定でも別のディレクトリでClaude Codeを起動すると見えなくなります。

これを知っていると、「設定がどこかに残っている気がするが見つからない」ときに探す場所が2つに絞れます。リポジトリの .mcp.json と、ホームの ~/.claude.json。この2つ以外にはありません。

なお ~/.claude.json は手で編集するより、後述の claude mcp get / claude mcp remove で操作する方が安全です。このファイルにはMCP以外の状態も入っています。

同名サーバーを3スコープに置いてみる

優先順位の仕様は「local > project > user」。これを実測で確かめようとして、面白い挙動に当たりました。

同じ名前 dup-server をuserスコープとprojectスコープの両方へ登録して、claude mcp get でどちらが使われるかを見ます。仕様通りならprojectが勝つはずです。

$ claude mcp add --scope user dup-server -- echo from-user
$ claude mcp add --scope project dup-server -- echo from-project
$ claude mcp get dup-server
dup-server:
  Scope: User config (available in all your projects)
  Type: stdio
  Command: echo
  Args: from-user

勝ったのはuserでした。 仕様と逆に見えますが、原因は優先順位ではありません。.mcp.json 由来のサーバーは、リポジトリ由来の設定が勝手にプロセスを起動しないよう、使用前にユーザーの承認が必要です。承認前のprojectサーバーは claude mcp list で「⏸ Pending approval」と表示され、接続の候補から外れます。つまり承認が済むまで、その名前は存在しないのと同じ扱いで、順位の低いuser設定が使われ続けます。

続けてlocalスコープにも同名を追加すると、今度は仕様通りlocalが勝ちます。

$ claude mcp add --scope local dup-server -- echo from-local
$ claude mcp get dup-server
dup-server:
  Scope: Local config (private to you in this project)
  Command: echo
  Args: from-local

まとめるとこうなります。優先順位の表は「local > project > user」で正しい。ただし各サーバーがまず順位表に載る条件があり、projectスコープだけは承認が済むまで載りません。「チームの .mcp.json に切り替えたのに、なぜか自分のuser設定のまま動いている」という現象は、たいていこれです。

トラブル対処1: .mcp.jsonに書いたのに繋がらない

上の挙動をトラブル側から見ると、対処はシンプルです。

まず claude mcp list で状態を見ます。「⏸ Pending approval」なら、設定は読めていて承認待ちなだけ。対話セッションを起動すると承認を求められるので、そこで許可すれば繋がります。

過去に「使わない」と答えてしまった場合も同じ見え方になります。承認・拒否の選択はプロジェクト単位で記憶されるので、やり直すにはリセットを使います。

claude mcp reset-project-choices

ヘルプの説明にある通り、このコマンドは「このプロジェクト内で承認・拒否済みのprojectスコープ(.mcp.json)サーバーをすべてリセット」します。個別のサーバーだけ選び直すことはできず、プロジェクト単位で一括リセットです。

承認済みなのに繋がらない場合は、スコープの問題ではなく起動コマンドか認証の問題なので、claude mcp get <name> でエラーメッセージを読む段階に進みます。

トラブル対処2: 消したはずのサーバーが残っている

claude mcp remove にもスコープの罠があります。同じ名前が複数スコープにあるとき、スコープ指定なしのremoveは削除せず、候補を列挙して止まります。

$ claude mcp remove dup-server
MCP server "dup-server" exists in multiple scopes:
  - Local config (/Users/you/.claude.json [project: /path/to/your-repo])
  - Project config (/path/to/your-repo/.mcp.json)
  - User config (/Users/you/.claude.json)

To remove from a specific scope, use:
  claude mcp remove dup-server -s local

止まってくれるのは親切な設計です。怖いのはむしろ、1つのスコープからは消えて成功メッセージが出たのに、別スコープの同名が残っていて「消したのに claude mcp list に出続ける」パターン。removeが成功したのにサーバーが見えるときは、消えたスコープと使われているスコープが別だった、とまず疑ってください。

現在どのスコープの定義が使われているかは、claude mcp get <name> が一番早いです。Scope行に加えて、そのスコープから消すためのremoveコマンドまで表示してくれます。

ちなみにスコープ間の「移動」コマンドはありません。localで検証したサーバーをチームへ配るときは、removeしてから --scope project でaddし直すか、.mcp.json へ直接書きます。

トラブル対処3: 認証情報をどのスコープに置くか

.mcp.json はコミット対象なので、APIキーの直書きは事故です。公式ドキュメントの通り、.mcp.json${VAR} 形式の環境変数展開に対応しているので、ファイルには変数名だけを書き、値は各メンバーの環境に持たせます。

私の運用でも、社内のCloudflare Workers上に立てたMCPサーバーをこの形で繋いでいます。実際にコミットしているのは次の形だけで、トークンの実体はリポジトリに存在しません。

{
  "mcpServers": {
    "sns-mcp": {
      "type": "http",
      "url": "https://<your-worker>.workers.dev/mcp",
      "headers": {
        "Authorization": "Bearer ${MCP_BEARER}"
      }
    }
  }
}

claude mcp add のワンライナーで組み立てにくい設定は、JSONのまま渡す add-json が楽です。上と同じ内容ならこう書けます。

claude mcp add-json sns-mcp '{"type":"http","url":"https://<your-worker>.workers.dev/mcp","headers":{"Authorization":"Bearer ${MCP_BEARER}"}}'

add-jsonも保存先の既定はlocalです(実測で「Added http MCP server sns-mcp to local config」と表示されます)。チームへ配る意図なら、スコープの指定を忘れずに。

1つ、2.1.269の実測で気づいた挙動を添えておきます。HTTPサーバーに Authorization ヘッダーを自分で設定すると、接続失敗時のエラーメッセージに「headers.Authorizationが設定されている場合、OAuthフォールバックは無効」と明示されます。OAuth認証で繋ぐつもりのサーバーにヘッダーを書いてしまうと、OAuthフローに入らず認証エラーで止まる、という組み合わせの罠です。ヘッダー方式とOAuth方式は片方だけを選んでください。

スコープ絡みの調査手順まとめ

MCPサーバーの挙動がおかしいとき、スコープ起因かどうかは次の順で3分あれば切り分けられます。

  1. claude mcp get <name> で、いま使われているスコープと定義を見る
  2. claude mcp list で「⏸ Pending approval」がないか見る。あれば承認の問題で、必要なら claude mcp reset-project-choices
  3. 消しても残る・書き換えたのに変わらないときは、別スコープの同名を疑う。探す場所はリポジトリの .mcp.json とホームの ~/.claude.json の2つだけ
  4. それでも解けなければスコープの問題ではないので、起動コマンド・環境変数・認証方式(ヘッダーかOAuthか)の確認へ進む

スコープの優先順位は「local > project > user、ただし承認前のprojectは不参加」。この一文と上の手順だけ持ち帰ってもらえれば、--scope 絡みで迷子になることはもうないはずです。

ツール一覧が会話の途中で変わるとプロンプトキャッシュが壊れる、という「繋いだ後」の話は別記事にまとめています。スコープを整理してサーバー構成を安定させることは、実はコスト面にも効きます。

Claude Codeのキャッシュミス対策|会話途中のツール一覧変更を疑うClaude Codeでプロンプトキャッシュが効かない・拡張思考が消えるときに疑う場所を整理します。原因はMCPサーバーの接続台数より「会話途中のツール一覧変更」で、2.1.267では同じ原因の修正が1リリースに11件入りました。内訳の分類と、更新後も運用側に残る対策をまとめます。www.tentspace.net